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- 料理が多すぎて、料理名と見た目がつながらない……。
- 基本、何が入っているか知りたい。
- いろいろ意味があるらしいから、食べる前に知っておきたい!
1年に1回しか食べない”おせち料理”。中身や食材の意味を覚えるのは難しいもの。それでも食べるときに知っていると、お正月がもっと楽しくなります。
この記事では、厳選した36種類の定番料理について詳しく解説します。
おせち料理は5種類+その他に分けられる
定番食材は次の5種類+その他に分けられます。
「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」「その他」
祝い肴
「祝い肴」とは、おせちには欠かせない三種類の料理で、お祝いの場でお酒を飲むときに食べます。
次項で説明する「口取り」の一種で、「三つ肴」とも呼ばれます。
関東と関西で違う料理が選ばれるよ
関西で「たたきごぼう」が選ばれる理由は、関西には高品質なブランドごぼうが複数あり、昔からごぼう料理が重宝されていたからです。
黒豆
「黒く日焼けするほどマメに働けますように」という願いが込められています。
煮豆用の黒大豆の旬は9~10月で産地は北海道、東北、長野、京都、兵庫など広範囲です。
黒大豆の品種は複数あり、高級品種「丹波黒」が全国的にも有名ですが、他にも「光黒(ひかりぐろ)、雁喰(がんくい)、玉大黒(たまだいこく)」など多くの品種があり、大きさや食感にそれぞれ特徴があります。
数の子
数の子はニシンの卵で「ニシン=二親」の当て字。「子孫繁栄(2人の親から子どもがたくさん生まれますように)」という意味。
数の子の美味しさは産地の影響が大きいので、産地選びが大事です。
加工は北海道が多いですが、産地として北海道は少量で輸入が多く、太平洋と大西洋で産卵場所が違うため食感が変わります。
太平洋産の方が『ポリポリッ』と食感が良いです。一番はやっぱり北海道ですが、輸入品であればロシアやアラスカ(アメリカ)がオススメです。
カナダやアメリカ表記は大西洋の可能性もある
田作り
名前の由来は、干したイワシを田んぼの肥料として使うと豊作になることが多い、ということ。別名「五万米(ごまめ)」とも呼ばれます。
込められた意味は主に「五穀豊穣、豊作祈願」で、稚魚が使われることから「子孫繁栄」の願いも込められています。
たたきごぼう
ごぼうは地中に根を張り、力強く成長する様子から「延命長寿」の象徴。「家族が土地に根付いて無事に過ごせますように」という願いが込められています。
口取り
「口取り」は、お酒のおつまみとして最初に食べる料理を指します。
名前の由来は、室町時代に確率した「本膳料理」の最初に提供される料理を「口取り」と呼んだこと。
見た目華やかな「かまぼこ」や、甘めの味付けである「栗きんとん」など”おせち”の定番料理が多く、縁起がいいとされる奇数を詰めます。
- 本膳料理とは
- 武家がお客をもてなすために、1つ1つの膳に料理をのせて出す形式のこと。
紅白かまぼこ
おめでたい色の紅は「魔除け」、神聖な色の白は「清浄」を意味し、半円型で縁起の良い「初日の出」を表しています。
伊達巻
名前の由来は長崎県の「カステラかまぼこ」がおしゃれな人達(伊達もの)の着物に似ていた、ということ。昔の大事な書物は巻物だったことから、「学業成就」の願いも込められています。
主原料は卵ですが、魚のすり身も入っていることが多いです。
栗きんとん
見た目が黄金色に輝く小判を連想できることから、金運アップの縁起物としておせち定番料理の1つです。
「栗きんとん」と作り方は違いますが、戦国時代の戦勝祝いに「勝ち栗」が使われていたことから、「栗」には勝負運アップの願いも込められています。
きんかん(金柑)
甘い味付けが多いおせち料理の中で、爽やかな酸味を感じる「きんかん」はお口直しにピッタリの一品。
輝く宝石のような見た目と「金の冠」との語呂合わせから、金運アップの願いが込められています。
昆布巻き
魚を昆布で巻いた料理。「喜ぶ」や「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから、不老長寿の縁起物としてハレの日に食べられることが多いです。
魚はサケやブリを使うこともありますが、ニシンを使うことが多く、数の子同様「子孫繁栄」の願いも込められています。
錦玉子
卵を黄身と白身に分けて蒸した料理「錦玉子」。
黄色と白の「二色」で「二色(にしき)玉子」とも表記されることがあり、織りなす様が金銀を表していて、金運上昇の願いが込められています。
焼き物
「焼き物」とは名前の通り「焼いた料理」を指し、2つある「おせちメイン料理」の1つです。
「焼き物」には、タイや海老、あわび等の縁起がよい魚介類を使います。
たい(鯛)
「めでタイ」の語呂合わせでおなじみ。七福神の恵比須様が持っていることから縁起が良く、祝い事の定番魚です。
ぶり(鰤)
成長すると名前が変わる「出世魚(しゅっせうお)」で、関東と関西で呼び名が違い、たくさんの名前をもちます。
関東「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」
関西「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」
地位や名声を得られるように、という願いが込められています。
えび(海老)
長いひげと腰が曲がっている様子から、「腰が曲がるほど長生きできますように」という願いが込められた長寿の象徴。
脱皮を繰り返すことから、「生まれ変わって成長する」という意味も込められていて、目が出ている様から「目出たし(めでたし)」という語呂合わせで表現されることもあります。
はまぐり(蛤)
ピッタリとくっつく貝がらが1対しかないことから夫婦円満の象徴。
うなぎ(鰻)
「うなぎのぼり」の語呂合わせから、出世の願いが込められている。
おせちに詰められるようになったのはごく最近だが、絶滅危惧種としておせちに詰められるのは珍しい魚。
あわび(鮑)
寿命が15~20年と長い「あわび」は、不老長寿の象徴。
食べられるまで成長するには短くても4年、長いと8年もかかり、高級食材の代表格です。
トコブシ(常節)
「フクダメ」とも呼ばれ、「福がたまりますように」という願いが込められています。
見た目はあわびに似ているが、大きさは小さく食感も異なります。安くはないが、あわびよりは安価。
酢の物
「おせちメイン料理」のもう1つである「酢の物」。
野菜と海産物にお酢を使うことで、日持ちする料理が多いです。
紅白なます
人参と大根を使ったスッキリとした味わいの「酢の物」の代表的な1品。
地中に根を張る根菜を使うことから「一家安定」の願いが込められています。
紅白の見た目がお祝いで使う「のし紙」の水引を連想させることから、縁起物として使われます。
酢れんこん
黒く変色を防ぐ目的でれんこんを酢に漬ける料理。
穴の多い見た目から「将来を明るく見通せますように」という願いが込められています。
菊花かぶ
冬が旬の「かぶ」を飾り切りして、日本の国花「菊」に見立てた料理。
菊は邪気を払うともいわれ「菊花かぶ」には「不老長寿」の意味が込められています。
なまこ酢
青森や東京、岡山、長崎で食べられることが多く、見た目が「米俵」に似ていることから、「豊作」の願いが込められています。
こはだの粟(あわ)づけ
「ぶり」同様、出世魚である「こはだ」を使った酢漬け料理。
「地位や名声を得られるように」という願いや、黄色に染めた粟(あわ)を使うことで「五穀豊穣」の願いも込められています。
酢だこ(煮だこ)
「たこ」の酢漬け料理で、関西より南では「煮だこ」が一般的な地域が多い。
茹でると鮮やかな紅白模様となり、「多幸(たこ)」という語呂合わせからもお祝いに最適な食材です。
煮物
「煮しめ」は山の幸を中心にさまざまな食材を1つの鍋で煮た料理です。
1つの鍋でまとめて煮ることから、「家族仲良く、繁栄できますように」という願いが込められています。
手綱(たづな)こんにゃく
乗馬の時に使う”手綱”の形に似せたこんにゃく。
「心を引き締めて、戦いに備える」という意味や、結び目の形から「良縁成就」の願いが込められています。
くわい
「くわい」は中国から伝わり、シャキシャキとした食感で懐石料理にもよく使われる野菜。
大きな芽が出ることから「芽出たい(めでたい)」という語呂合わせの縁起物です。
空に向かってまっすぐ芽が伸びる様子から「立身出世」の願いが込められています。
里いも
種いも(親いも)からたくさんの「子いも孫いも」が出てくる様子から「子孫繁栄」の願いが込められ、丸い形から「家庭円満」の願いを込める地域もあります。
「八つ頭」という品種を使い、末広がりの「八」から縁起物として人の「頭(トップ)」になれますように、という願いが込められることもあります。
おたふく豆
ふっくらとした見た目で「おたふく(おかめ)」の面に似ていることが名前の由来。
「お多福豆(おたふくまめ)」という名前の通り、たくさんの福を運んでくれる縁起物として、お祝いにはよく使われます。
棒ダラ
完全に水分を抜いた棒状のタラを、たっぷりの水で数日間かけて元に戻してから食べる保存食。
「タラふく食べられる」という語呂合わせから、「食に困りませんように」という願いが込められた縁起物。
ふき
子どものお弁当の歌で「すじの通ったふ~き」でおなじみ。
漢字では「富貴」と書き、豊かな生活ができますように、という願いが込められた食材。
れんこん同様、穴が開いているため、見通しの良い縁起物として使われます。
たけのこ
成長が早く空に向かってまっすぐ伸びる様子から、「子どもの成長」「立身出世」といった願いが込められた食材。
グングン伸びることから、「家運を伸ばす」といった意味もあります。
その他
するめ
「寿留女」のあて字として、お祝いの場で使われる縁起物。
北海道の郷土料理「松前漬け」や、新潟県の郷土料理「干し大根漬け」として、数の子や人参といっしょに使われることが多いです。
橙(だいだい)
鏡餅の上に飾られる果物。1本の木に何代もの実が一緒になり「代々」の語呂合わせとして「子孫繁栄」の願いが込められた縁起物。
干し柿
「柿」は樹齢が長く、長寿の象徴。「(幸せを)かき集める」という語呂合わせの意味も込められています。
奈良県では紅白なますをくり抜いた柿に詰めて「柿なます」として食べられたり、大根と合わせて食べられたりします。
梅干し
柿同様、樹齢が長いことから長寿の象徴。しわのある見た目から年配者を想像できる点も、長寿の願いが込められた理由の1つです。
八幡(やわた)巻き
「八幡巻き」はごぼうや人参を肉類や”うなぎ”などで巻いた料理で、発祥の地である京都府八幡市の地名から名づけられました。
主役である”ごぼう”の見た目から「長く幸せが続きますように」という願いが込められています。
ゆりね
ゆりの球根である「ゆりね」は関西地方でよく使われ、火の通し方で食感が変化する面白い食材。
花びらのように重なり合っている「ゆりね」の様子から、「年を重ねる(長寿)」や「子宝に見立てる(子孫繁栄)」、「仲が良い」といった願いが込められています。